HOME 〉アバウトウカ巌谷 春行

HARUYUKI IWAYA

巌谷春行

uka 代表取締役 CTO / トップスタイリスト


本物の技術者を育てるukaの教育 『ukademy』でなりたい自分を超えよう

ukaの教育の場である『ukademy(ウカデミー)』では 何が学べる? uka が目指す技術者とは? 『ukademy 』の校長でもあり、トップスタイリストの 巌谷春行が後輩たちに伝えていきたいこと。

 ukaには『ukademy(ウカデミー)』という独自の教育システムがあり、今年で導入10年目になります。
それまでは、いわゆる普通の練習会で、アカデミーと呼んでいました。スタイリストデビューまでのアシスタントのためのカリキュラムです。
しかし、アシスタントだけではなく、デビュー後のスタイリストのためにもなる社内教育はできないのかと、“本物”の技術者を育てるため『ukademy』がスタートしました。以前はデビューすると、組織的な練習会は組まず、すべて個人に任されるのが当たり前でした。当時はSNSなども普及していませんでしたから、どうやって集客をしたらいいかなども課題です。スタイリストになっても学ばなければならないことはたくさんあるのです。
『ukademy』は“本物”の技術者を育てる場所ですが、この“本物”ということは、僕の今年のテーマでもあります。
「本物ってなに?」に向き合おうと。「本物の技術」「本物の感性」「本物の気配り」は、40年以上前に創業者の向原が言い続けてきたことで、僕も入社して40年、ずっと考えて続けてきたことでもあります。
 そして僕が向原の昔の言葉を紐解きながら考え、今思うのは、「本物=こころ」なのではないかということ。
「こころを込めた技術」「こころに残るデザイン感性」「こころのこもった気配り」なのではないかと思っています。教えるのは難しいのですが、教える人間がこころを込めれば伝わると思っています。

  入社後、皆さんを待っているのは『19(ジューク)』というプログラムです。
学生時代にさまざまなことを学んできたと思いますが、学校と現場の違いは大きく、技術に関しては一からスタートですし、知識も改めて覚えることがたくさんあります。さらに、こころの持ち方は大きく異なるはずです。
学生のころは自分のことを考えて過ごしてきたと思いますが、社会人になったらお客さまのこと、周りのことを考えるようにしなくてはいけません。そのために『19』で、学生から社会人への切替えを行います。初歩的なマナー、接客、立ち居振る舞い、姿勢、どうやったらきれいに見えるかなど、本当に細かいところからのスタートです。サロンの先輩も教えてくれますが、現場ではどうしてもお客さまが優先。なかなか細かいところまで見られない部分もあります。右も左も分からない現場に出たての新人は心配になりますし、なにより不安です。それをなくし自信をもって現場に立つための講習です。でも実は、最初この『19』ができたときは、現場のスタッフは、大反対。なぜなら、サロンの勤務中に研修が行われるため、1年目のスタッフが誰もサロンにいなくなってしまい、人手不足になるからです。それでも、1コマ1コマ成長する後輩を見ているうちに、協力体制がしっかりと整うようになりました。僕も毎年1年間の最後の授業のそれぞれのプレゼンテーションを聞きに行くのですが、涙が出るくらいです(笑)。成長したなぁ、送り出してよかったなぁ、と毎年思うのです。

 2年目以降は、後輩ができて“教える”ことも始まります。ukaは技術的なことは見て覚えましょうという組織ではなく、言葉で教えるということを徹底的にやっています。教える立場になることで、うまく言葉で伝える能力を学びますし、成長へとつながります。スタイリストデビューしてからは、例えば美容師なら、パーマ・カラー・デザイン・カットなどを学び続けられます。また、社内コンテストや外部コンテストなどへの参加も、『ukademy』の一環。
サロンワーク外の活動をすることで、デザイン力が上がり、引き出しが増えます。デザインが変わると技術が変わりますから、トレーニングが必要となりますよね。そうして技術力がアップしていくのです。社内コンテストは先輩後輩関係なく真剣勝負。後輩が優勝することもしょっちゅうです(笑)。
お互いに刺激になっているようです。『ukademy』ができて10年、僕は美容師やってきて41年になりましたが、お客さまが求めるものは時代にあわせてどんどん変化しています。そのニーズに応えられるよう、ukaの教育も進化し続けます。



※この記事は2019年4月時点の内容を基にしています。